【あらすじ】
白井市谷田の西福寺に伝わる「乳房公孫樹」の信仰。境内の公孫樹にできる乳房のようなこぶを煎じて飲むと母乳が出るといわれ、近隣だけでなく東京からも母親たちが参詣に訪れたと伝えられている。
【民話の内容】
白井市谷田にある西福寺の境内には、大きな公孫樹(いちょう)の木がある。この木の幹には、まるで乳房のような形のこぶがいくつもでき、人々はこれを「乳柱(ちばしら)」と呼んで、この木を「乳房公孫樹」と呼びならわしてきた。
赤ん坊を授かっても、なかなか母乳の出ないお母さんたちは、西福寺の観音さま――子育て観音に、母乳が出るようにと祈りを捧げた。そして、公孫樹の乳柱の一部を削り取り、それを煮出した汁を好んで飲むようにすると、たちまち母乳が出るようになるといわれた。
この信仰は近隣の谷田・清戸の人々だけにとどまらず、遠く東京からも乳飲み子を抱えた母親たちが、乳房公孫樹の力にすがろうと西福寺へ参詣に訪れたと伝えられている。