演技でもダンスでも、身体を使うときに「どう動くか」ばかり考えてしまう人は多いと思います。
でも、僕はむしろ、動くことよりも止めることを意識したほうがいいと思っています。
観客の目からすると、ずっと動いているものは意外と捉えにくいものです。
動きそのものは流れていってしまいます。
その途中に、きちんと停止している時間があると、そこが強く印象に残ります。
ダンスで考えると分かりやすい。
動く → 止める → 動く → 止める
カウントに合わせて、動くところは大きく動く。
そして、止めるところではきちんと止める。
それだけでも、動きにキレが出ます。
演技も同じです。
ずっと身体が動いていると、観客に届けたい表情や視線の変化が埋もれてしまいます。
だから、ここを見せたいという瞬間には、きちんと止まる。
止まるというのは、何もしないということではありません。
全身が止まっているからこそ、首を少し動かす、視線を変える、表情を変える、といった小さな動きが大きな意味を持つようになります。
全身を止める ↓ 首だけ動かす ↓ 視線を変える ↓ 表情を変える
逆に、身体全体が常に動いている状態で顔だけを細かく動かしても、その変化は観客には届きにくい。
だから身体表現というのは、派手に動けることだけではありません。
大きく動く。
きちんと止まる。
そこから小さく動く。
この切り替えができることが大切です。
そして、止まることができると、感情の細かな表現もできるようになります。
動き続ける身体ではなく、止まった身体の中に何を持っているか。
そこから、視線一つ、首の角度一つ、表情一つで感情を届けることができます。
動くことを考える前に、止まることを考える。
全身を止められるからこそ、身体の一部分を動かして表現できる。
これはダンスにも演技にも共通する、身体表現の基本だと思います。
文責:チャッピー